お好み焼きが好きなので、自分でもお好み焼き屋を開業してたくさんのお客様に喜んでもらいたいけれど、具体的に何から始めればよいのかイメージがわかない人は多いのではないでしょうか。
この記事ではお好み焼き屋を始めるにはどのような準備が必要なのかから相談先まで詳しく解説します。
お好み焼き屋を始めるのに必要な開業資金
日本政策金融公庫が行った「2020年度新規開業実態調査」の結果によると全ての業種の開業資金の平均は989万円で、1991年度の調査開始以来最低値となりました。
お好み焼き屋を開業する場合、規模にもよりますが、概ねこれくらいの金額を想定しておいた方がよさそうです。
また開業資金の調達方法についてですが、日本政策金融公庫が行った「2019年度新規開業実態調査」の結果では資金調達額の平均は自己資金262万円、金融機関等からの借入847万円となっており、自己資金の平均が1992年に441万円だったのと比較するとかなり下がっています。
このことから自己資金は200万円~300万円ほど準備し、残りを融資と補助金や助成金の活用などで調達しているのが現状のようです。
補助金や助成金の最新情報については、中小企業庁や厚生労働省のホームページを確認することをおすすめします。
参考:「2020年度新規開業実態調査」日本政策金融公庫
参考:日本政策金融公庫 2019年度新規開業実態調査
参考:中小企業庁ホームページ「補助金等公募案内」
参考:厚生労働省ホームページ「助成金検索ツール」
お好み焼き屋を始めるのに必要な資格
お好み焼き屋を始めるには食品衛生責任者、またお店の収容人数(従業員+席数)が30人以上であれば防火管理者の資格が必要です。
食品衛生責任者とは食品の衛生的な製造や販売の自主管理を行えるようになることを目的とし、厚生労働省の「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」に基づいて各都道府県の条例で設置が義務付けられています。
各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講すると資格が取得できます。
かかる費用は地方自治体によって異なりますがおおむね1万円程度で、申込方法や開催スケジュールは各地方自治体の食品衛生協会のホームページより最新情報を確認するようにしましょう。
また防火管理者は一般財団法人日本防火・防災協会が全国各地で講習会を開催しているので、店舗の床面積が300m2以上であれば甲種講習、300m2以下であれば乙種講習を受講すれば取得することができます。
受講料は甲種講習¥8,000、乙種講習\\7,000です。
講習会の申込方法や開催スケジュールは一般財団法人日本防火・防災協会のホームページより最新情報を確認してみてください。
参考:厚生労働省「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」
参考:公益社団法人 日本食品衛生協会「全国の食品衛生協会」
参考:一般財団法人日本防火・防災協会「防火・防災管理講習」
お好み焼き屋を始めるのに必要な設備・物件
お好み焼き屋を始めるために必要な設備は他の飲食店と同じで厨房機器、空調機器、照明器具などですが、特殊なのが空調設備と鉄板です。
お好み焼きは意外と煙と臭いが出やすい業態です。店舗物件では重飲食に分類されて賃貸借契約の時に不可とされるところもあります。換気が良くないとお客様の衣服や髪の毛に臭いがついたり、油が店全体に回って店内が汚れるなどデメリットがありますので、この部分の設備投資は慎重にしたいものです。
鉄板はお好み焼き店の命とも言える部分で、厚みや広さなど店舗に合わせたものを揃えないと、焼きにくかったり、オペレーションが遅くなるなど、経営に直結する問題に直面することになります。
またお好み焼き屋を始めるのに必要な物件には契約に応じてスケルトン物件と居抜き物件の2種類があります。
スケルトン物件とは建物の躯体だけの状態の物件、居抜き物件とは以前営業していた状態の設備をある程度残した物件を言います。
居抜き物件は初期投資を大幅に抑えられるという点が魅力ですが、内装や設備をそのまま使用するため、改装の自由度が制限されることになります。
お好み焼き屋を始めるのに必要な届出・手続き
お好み焼き屋を始めるには営業許可を得る必要があります。
営業許可を得るための要件は食品衛生責任者の資格を取得していることと、保健所の検査をクリアし営業許可書を取得していることの2つです。
営業許可書を取得するには竣工もしくはオープンの10日〜2週間前までに申請書類を準備し、保健所の検査を受ける必要があります。
またこの検査から営業許可書の発行まで1週間程度かかるため、時間に余裕を持って申請するのを忘れないようにしましょう。
関連記事:お好み焼き屋を開業するにはどうすればいいの?費用や資格は? | 若竹学園ブログ (wakatakegakuen.co.jp)
お好み焼き屋を始めるのに相談できるところは
お好み焼き屋を始めるための相談先としては、会計事務所、法律事務所、プロ向けの料理教室、飲食店コンサルタントなどがそれぞれ得意分野を活かして行っています。
会計事務所や法律事務所は資金調達や事業計画、料理教室や飲食店コンサルタントは味作りや集客に力を入れてサポートしてくれるでしょう。
自分の不安要素を分析し、それを解消できる先を選んでサポートを受けることが大切です。
まとめ
お好み焼き屋を始めるには他の飲食店同様資金調達から資格取得、届出までの準備が必要ですので、スケジュールをしっかりと立てて計画的に進めていきましょう。
未経験や不得意と感じる分野は経験者の意見を聞いたり、プロの手を借りて自分の理想とするお好み焼き屋の開業を目指してください。