飲食店を開業してみたいという夢を持っているけれど、かかる費用の平均的な相場がつかめないとお悩みの方はいらっしゃいませんか？
この記事では飲食店を開業するのに必要な資金の相場から調達方法まで詳しく解説します。
飲食店を開業するのに必要な費用
最初に飲食店を開業するのに必要な費用の内訳とその平均額をご紹介します。
1，物件取得費
物件取得費とは保証金・敷金、礼金（最近はない物件もある）、仲介手数料、前家賃、造作譲渡料（居抜き物件の場合）、造作譲渡に関わる手数料（居抜き物件の場合）、保証会社に支払う保証金（ある場合とない場合がある）の合計金額です。
2，店舗改装費
店舗改装費はスケルトン物件か居抜き物件かでかかる費用が異なります。
内外装費、厨房機器費の合計金額なので居抜き物件の場合内装費や厨房機器費などを抑えられる可能性があるということです。
3，開業諸経費
開業諸経費とは飲食店を開業するために必要な備品などにかかる費用を言います。
看板代、備品代、消耗品代、広告費などの合計金額です。
4，運転資金
開業後にかかる運転資金のことです。
日本政策金融公庫が2013年に行った「生活衛生関係営業の景気動向等調査」の結果によると開業時に注意しておけばよかったと感じることに26.8％の経営者が「自己資金が不足していた」と回答しています。
また64％の飲食店が開業してから軌道に乗せるまでに半年以上の期間がかかったと回答しているのです。
これらのことから家賃、人件費、食材費、光熱費、広告費、通信費、専門家に支払う費用などを合計して、最低6か月分は運転資金を準備しておきましょう。
■合計のおおよその額
今までの4つの項目の平均額ですが、大体ワンオペから２人くらいで回せるお店の規模で考えますと
1、物件取得費は立地条件によって大きな差が出ますので現地の相場で確認してください
2、店舗改装費 居抜きの場合約300万円、スケルトンですと600万円～1.000万円 設備を中古で調達するともう少し安くなります
3，開業諸経費 看板、備品、広告費等で50万円～100万円
4，運転資金 運転資金は家賃、人件費、光熱費、広告費、通信費等の、売上が0でも毎月支払わないといけない経費を算出して、その６ケ月分くらいが必要です
飲食店を開業する費用の調達方法
次に飲食店を開業する費用を自己資金以外で賄う方法について4つご紹介します。
親族からの資金
家族や親族から開業資金をサポートしてもらうのはよくあることでしょう。
しかし融資を受ける際、このサポートしてもらった金額は返済義務がある場合、負債（借金）とみなされます。金融機関から融資を受ける時は、そう申告しなければならないので気をつけましょう。返済の必要がない場合は贈与とみなされて贈与税の対象となりますので注意が必要です。
日本政策金融公庫の融資
中小企業や新規起業家への創業融資に力を入れているのが日本政策金融公庫です。
融資制度の種類がたくさんあるのですが、飲食店の開業資金として検討するなら「環境衛生貸付」「新規開業資金」「女性、若者／シニア起業家支援資金（新企業育成貸付）」「一般貸付」などが利用しやすいので、詳細を日本政策金融公庫のホームページより確認してみることをおすすめします。
参考：日本政策金融公庫のホームページ
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index.html
地方銀行・信用金庫の制度融資
制度融資とは中小企業や起業家、個人事業主向けに、主に地方自治体、民間の金融機関、信用保証協会が連携して提供される政府系の融資制度のことを言います。
審査のハードルが低く1.0～3.0％程度の低い金利で融資が受けられるというのがメリットですが、手続きに時間がかかり自治体ごとに制度設計されているため煩雑なのがデメリットです。
各地方自治体のホームページに詳細が掲載されているので内容を確認してみましょう。
参考：大阪府の融資保証制度のページ
https://www.cgc-osaka.jp/guarantee-system/list02/
助成金・補助金
資金調達に助成金や補助金を活用するという方法もあります。
飲食店を開業するのに活用できる補助金と助成金はさまざまな種類がありますが、小規模事業者持続化補助金についてご紹介します。
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者が商工会・商工会議所と一体となって取組む販路開拓や生産性向上の取組みを支援する国の補助金です。補助金額は50万円まで、補助率は2/3です。毎年4回の公募が行われますので、公募期間に申請をしなければなりません https://r3.jizokukahojokin.info/
参考：全国商工会連合会のページ
http://www.shokokai.or.jp/jizokuka_r1h/
まとめ
飲食店を開業するための資金の平均額はおおむね700～1,200万円程度で、調達方法は自己資金だけではなく融資や補助金、助成金などさまざまな制度を活用できるのがわかりました。
どなたでもお金についての相談は、知識があり信頼関係のできた人にしかしたくないものです。日頃からそういう人間関係を作っておいたり、飲食店の開業を専門に教えている学校に通って相談することもひとつの方法です。
