飲食店を開業しようと考えているけれど、書類の種類と提出先が多すぎて頭の中で整理できず悩んでいらっしゃる方はいらっしゃいませんか?必要な提出先は大きく分けて4つです
この記事では飲食店を開業申請する際に必要な書類を提出先ごとに整理して解説します。
飲食店の開業申請に必要な書類~税務署編
個人で飲食店を開業申請する際、税務署に提出する書類は次の4つです。
①開業届
飲食店の開業を税務署に知らせる届出で、正式名称は「個人事業主の開業・廃業等届出書」と言います。
事業を開始してから1か月以内に最寄りの税務署へ持参するか、送付しましょう。
②青色申告承認申請書
確定申告時に青色申告を希望する際は、申告をする年の3月15日まで(1月16日以降に開業した場合は開業から2か月以内)に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。
③青色事業専従者給与に関する届出書
青色申告を行う飲食店が家族を従業員として雇用する場合に提出します。
青色事業専従者給与に関する届出書を提出しなければ家族を従業員として雇用することや、給与を経費として計上することはできないので注意しましょう。
④給与支払事業所等の開設届出書
アルバイトや社員など、スタッフに給与を支払う場合に届出が必要で、提出すると源泉徴収した所得税を納付する用紙が送られてくるため、スタッフを雇用してから1か月以内の提出が必要です。
国税庁のホームページから最寄りの税務署を検索し、書式のダウンロードと書類提出は早めに行いましょう。
参考:「国税局・税務署を調べる」国税庁
参考:「申告所得税関係」国税庁
飲食店の開業申請に必要な書類~保健所編
飲食店を開業申請する際、保健所に提出する書類は次の3つです。
①飲食店営業許可申請書
飲食店営業許可申請書とは、営業許可の申請のために飲食店の所在地や連絡先などを記載する書類です。
提出する前には必ず最寄りの保健所に事前相談を行い、所定の書式、記載方法に従って書類を作成するようにしましょう。
参考:厚生労働省 保健所管轄区域案内
②営業設備の大要と配置図
営業設備の大要とは、営業許可の申請のために飲食店内に設置する衛生設備の概要を記載した書類です。
また配置図については定規を使用して正確に記載するようにし、書ききれない場合は別紙に記載する必要があります。
全ての設備について記載し名称を入れることが重要です。
③食品衛生責任者の資格を証明するもの
食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。
費用はおおむね1万円程度で申込方法や開催スケジュールは各地方自治体によって異なるため、食品衛生協会のホームページより最新情報を確認してみてください。
参考:公益社団法人 日本食品衛生協会「全国の食品衛生協会」
飲食店の開業申請に必要な書類~消防署編
飲食店を開業申請する際、消防署に提出する書類は次の2つです。
①防火管理者選任届
消防署に飲食店が防火管理者(防火上必要な業務を適切に遂行でき、従業員を管理・監督・統括できる人)を選任した旨届出をするための書類です。
申請書式は所轄の消防署のホームページからダウンロードすることができます。
お店の顧客数と従業員数を足して30名以上となる飲食店の場合提出しましょう。
また防火管理者の資格は資格講習の受講及び測定試験で合格すると取得できます。
甲種で2日、乙種で1日の講習で取得できるので早めに取得しておくのが望ましいでしょう。
参考:消防署検索「パブリネット」
参考:東京消防庁 申請様式「防火・防災管理者」
②防火対象物使用開始届出書
飲食店開業時、店の建築、修理や用途変更のための工事を行う際には、実際に店舗の使用を開始する7日前までに、防火対象物使用開始届を所管の消防署に届け出る必要があります。
申請書式は所轄の消防署のホームページからダウンロードすることができます。
参考:東京消防庁 申請様式「工事・使用開始」
飲食店の開業申請に必要な書類~警察署編
飲食店を開業申請する際、警察署に提出する書類は次の2つです。
①深夜種類提供飲食店営業開始届
深夜0時以降も酒類を提供して飲食店の営業を行う場合は、営業開始の10日前までに深夜種類提供飲食店営業開始届を最寄りの警察署に提出する必要があります。
申請書式は警視庁のホームページからダウンロードできます。
②風俗営業許可
女性が接客をし、お酌まで行う飲食店の場合は風俗営業許可を申請しましょう。
期限は所轄の警察署によって異なるため、確認が必要です。
参考:警視庁 警察署一覧
参考:警視庁 申請様式一覧
まとめ
飲食店を開業申請する際は税務署、保健所、消防署、警察署それぞれに提出する必要があるかどうかを判断して提出する必要がありますが、それぞれに書式が用意されているので、意味をを照らし合わせて確認すれば作成するのはそれほど難しくないことがわかりました。
種類が多いためチェックリストなども用いて、提出の抜けがないよう慎重に確認を行うようにしましょう。