飲食店を経営するのが夢だけれどなかなか自己資金が貯まらず、資金ゼロで何とか開業できないかと悩んでいる人はいませんか?
この記事では飲食店を開業する際に資金ゼロの場合、どのようにお金を調達すればよいのかをまとめてみました。
飲食店を開業する際の融資先
2021年に日本政策金融公庫が発行した「創業の手引」の中で発表されたデータの中に、「新規開業実態調査」があります。創業資金調達総額に占める自己資金の割合は21%、262万円という結果でした。
しかし日本政策金融公庫では創業時に自己資金を創業資金総額の10%貯めれば無担保無保証で融資が受けられる「新創業融資制度」があります。
この制度をこのまま利用するだけでもかなり自己資金の割合は低く抑えられますが、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める人」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める人」においては自己資金の額は問わないという特例が適用されるのです。
既に飲食店に就業している人などに限られますが、資金ゼロで開業できる可能性があるため、新創業融資制度についてホームページで確認してみることをおすすめします。
参考:日本政策金融公庫「創業の手引」
参考:日本政策金融公庫「新創業融資制度」
共同出資で法人化して資金ゼロで開業(法人にするデメリット注意)
飲食店を開業する際、法人化して自分が代表となり、ビジネスパートナーに社員や取締役の共同出資者としてスタートする方法があります。また、共同出資者がスポンサーとなって出資したと見なされて融資が通りやすくなることもあります。
この場合、利益が出てから出資してもらった分の株を買い取ることで自分個人の店とすることも可能です。
しかし飲食店を法人として始めるにはデメリットもありますので注意が必要です。
法人化した場合、社会保険に加入する必要が出てきたり、個人事業主とは比較にならないほど会計処理や決算書の作成などの事務処理が煩雑になります。会計事務所に依頼するなどの経費が開業後発生することを念頭においておく必要があります。
資金ゼロで開業する可能性は上記の2つですが、特に法人化するメリットとデメリットはよく比較し、費用対効果が出るかを考えて慎重に判断するのがよいでしょう。
飲食店を資金ゼロで開業した後のことを考える
2013年に日本政策金融公庫が発表した「創業の手引+」の調査結果では、飲食店開業時に注意しておけばよかったこととして、「自己資金が不足していた」と回答した人が26.8%で1位でした。
この結果からも飲食店を例え資金ゼロで開業することができたとしても、開業後の運転資金の不足などのリスクが伴います。なので日本政策金融公庫から借り入れするにしても、法人化するにしても、開業後の運転資金を含めた資金計画が大切です。あるいは運転資金としての自己資金はある程度準備するのが望ましいと思われます。
参考:日本政策金融公庫「創業の手引+」
まとめ
飲食店を資金ゼロで開業するのは不可能ではありませんが、デメリットも大きいためある程度の自己資金を準備する方が安心だと思われます。
開業後安定した経営をするための資金計画を心掛けましょう。