大阪市西区新町1-6-18タカラハウス四ツ橋1F
開店:2007年11月
オーナー:宇崎宏隆、昌子 様
ご主人は以前、フレンチのシェフをされていて、その経験を活かしたお店を開店しようと、鉄板焼きとお好み焼きの店「Oribe」を7年前に西区新町にオープンされました。和食とフレンチの調理経験はあったけれど、お好み焼きの経験がなかったということで、オープン前に若竹学園にご夫婦で入学されました。
奥様は夫婦で入学してよかったと言われています「主人は調理の授業に熱心で、私は経営分析などの授業が勉強になって、授業を受けた後、話をするとお互い目線が違っていて面白かったです」と、その後の店舗運営の役割分担がはっきりしたそうです。
やりたいイメージのお店を実現
Oribeさんのお店はカウンター、テーブルに鉄板がなく、料理は全ておしゃれな器に盛り付けて提供されます。メニューは創作一品料理がメインでお酒もワインを提唱されています。
今でこそこういうお店は多くなりましたが、Oribeさんがオープン当初はまだ珍しい業態でした。ですから、最初は「なんや、鉄板ないんか」とか、「お好み焼きのメニューが少ない」などのクレームも多々あったとか。ただ、ご主人がやりたいお店のイメージをしっかりと持っていらしたのでブレることなく営業できたそうです。それをサポートされたのが奥様のサービスで、お二人で力を合わせて頑張っているうちに徐々にOribeスタイルが浸透していきました。
マスコミの取材が相次ぐ
その後マスコミの取材も相次ぎ、有名人も来店されるなどして予約の取りにくいお店になっていきました。そんな中、ある出版関係の本がお店の事を「鉄板ビストロ」という表現をされたそうです。奥様は「やっと自分のお店が説明できるようになりました」と笑っておっしゃっていました。今やその「鉄板ビストロ」は街中に増えています。
オープン当初のご苦労を伺うと、ご主人は「最初は二人とも余裕がなかったですが、仕事が好きなので辛いことはありませんでした。ただ、お客様には迷惑をかけたと思います」と、お客様を気遣う言葉が。この辺りに繁盛店の秘密があるのかもしれません。
メニュー作りはお客様の声を聞いて
メニュー作りの事を伺うと、「最初はお好み焼きの種類も豚玉だけでしたが、お肉がだめな方もいらして、お客様の声を聞きながらレパートリーも増やしていきました。」と、お客様の意見をメニュー作りに取り入れていったそうです。 また、メニューで気をつけていることは「メニューのスタイルはそんなに変わってなくて、毎年同じことをやっているのですが、どうしたらもっと美味しくできるだろうかという事はいつも考えて作っています」「とにかくひとつひとつをきっちりと丁寧にすること。ただ100%を求めなくても80~90%に抑えて手間を省いています」
現状に甘んじることなく、常に美味しいものを提供しようという姿勢、しかし完璧を求めるのではなく一歩手前で抑えることが余裕を生み、その分お客様の意見を取り入れていくことができるのでしょう。
お客様との信頼関係が繁盛の秘訣
また、お好み焼きのメニューを考えるときは学園で習った基本がしっかりわかっているので助かります。と言われていました。調理のプロでありながら、また、お好み焼きのメニューは数少ないにも関わらず「お好み焼きのことは何もわからないので」と、オープン前にご夫婦で学園に入学されたその真摯さがお客様にも伝わり、支持を受けている理由だと思います。ご主人はお話の中で「信念がしっかりしているとお客様が応援してくれます」と言われていました。お店とお客様とがお互い信頼関係で結ばれている、飲食店として理想のお店ではないでしょうか。
お客様と信頼関係の築けたお店は、ライバル店が出現してもお客様が離れて行くことは少ないということは知られています。 ちなみに店名のOribeは奥様のお母様が茶道をされている関係で「織部焼」からとったそうです。会話の中で「家内がいなければやってこれなかったと思います。ずっと会社勤めで飲食店は初めてだったのによくやってくれています」と、奥様を気遣われる一面もあり、お二人の息もぴったりのお店はこれからも益々繁盛されることと思います。
(2014年7月現在)
URL:http://o-ri-be.com/