日本で定番の粉ものとして大人気のたこ焼きは、海外でも「サムライボール」の名前で親しまれています。
日本の食文化をもっと外国の人に知ってもらうために、海外でたこ焼き屋を開業したいと考えていらっしゃる方が知っておくと役立つ情報をまとめてみました。
海外でたこ焼き屋を開業する前に
海外でたこ焼き屋を開業する前にあらかじめ知っておいた方がよいことを6つご紹介します。
どの地域・どの国で受け入れられるのか
最初に海外といってもどの地域や国でたこ焼きの人気が高いのかを把握しておく必要があるでしょう。
ベースとしてタコを食べる食文化のある国ではたこ焼き屋は受け入れられやすい傾向にあります。
ビザや言葉の問題は
海外でたこ焼き屋を開業するためには投資ビザを取得するか、出店する国の永住権を獲得する必要があります。
投資ビザとは出店したい国の企業やプロジェクトに代理店を通じて投資することでもらえるビザなので、国にもよりますが取得するのに数千万円単位の取得費用と数十万円の代理店手数料がかかります。
永住権を取得するには就労ビザを取得して出店したい国で就労した実績が必要なのと、そもそも外国人は永住権を獲得できない国というのも存在するので事前のリサーチは必須と言えるでしょう。
また語学力については出店したい国での日常会話に加え、ビジネスレベルの会話力をつけておくのがよいでしょう。
その国の食文化をリサーチする
海外でたこ焼き屋を開業したいなら、出店する国の食文化をリサーチする必要があります。
タコの消費量が世界一である日本では考えられないことですが、タコを食べる食文化を持つ国はそれほど多くありませんし、宗教上の理由でタコを食べない国もあるということを覚えておきましょう。
材料や器具の調達は
まず材料からですが、例えば日本ではスーパーでも手に入るタコや粉ですら海外では入手しにくい可能性が高いため、現地でどこから材料を調達するのかということは事前に考えておく必要があります。
例えば日本食品のスーパーマーケットが開業したい国や地域にあるのか、もし近くになければオンラインショップなどは存在するかなどを細かく調べましょう。
参考ですがニュージーランドではジャパンマートという大きな日本食品のスーパーマーケットがあり、オンラインショップも併設されています。
ジャパンマートのページ
そしてたこ焼きを作るための器具ですが、日本で購入した機器が海外でそのまま使用できるとは限りません。
それは電圧・プラグなどの機器仕様が日本とは異なるためです。
事故を防ぐためにも海外の電圧・プラグの一覧表を掲載したホームページで必ず確認しておきましょう。
海外の電圧・プラグの一覧表
http://www.travelerscafe.jpn.org/electricity.html
従業員の教育は
海外でたこ焼き屋を開業するには現地の方を雇用することも必要ですが、日本人とは仕事に対する姿勢が基本的に違うことを理解しておく必要があるでしょう。
例えば仕事中の私語やお金の計算ミスなどに、日本人ほど罪悪感を抱かない方も多いのです。しかしその時にすぐに感情的になるのではなく、そのような行動をとる理由をたずねてみたり、相手の良さに目を向けてみたりすると丁寧なコミュニケーションが生まれます。
お互いに気持ちよく仕事をするためにも、従業員教育を行う際には相手を尊重しながら臨む姿勢が大切です。
資金調達はどうするのか(クラウドファンディングなど)
投資ビザを獲得するだけでもとてもお金がかかるため、開業資金を準備するのは難しいと感じていらっしゃる方にはクラウドファンディングという方法もおすすめします。
投資してもらった資金を返済する必要がないのと、投資した人がそのままお客様として来店してくれる可能性が生まれるのがメリットです。
現在たこ焼き屋が開業されている海外の国や地域は
海外でたこ焼き屋が開業されているのはアメリカ・フランス・台湾・韓国・香港・中国・マレーシア・インドネシア・シンガポールなどで、アジア圏での人気が高いと言えるでしょう。
具や味付けはそれぞれの国の好みに応じてアレンジされることが多いようです。
それぞれの国で販売されているたこ焼きの特徴をご紹介します。
台湾・韓国・香港
台湾では1990年代に「日船」というチェーン店ができましたが、キャベツが入っているためたこ焼きよりお好み焼きに近いようです。
韓国では日本の名前そのままに「タコヤキ」として売られています。
香港では「日船」のチェーン店がありますが日本の築地銀だこも2004年に上陸しました。
インドネシア・マレーシア・シンガポール
インドネシア・マレーシア・シンガポールでは屋台で「takoyaki」という名前で売られています。
具はタコだけではなくチーズや鮭などもあるのです。
ちなみにインドネシアでのたこ焼き屋1号店はジョグジャカルタスルタン家の王女様が来日した際たこ焼きを好きになり、ジョグジャカルタに誘致したのがきっかけでできたそうです。
海外でたこ焼き屋を開業した人はどんな人
個人で海外でたこ焼き屋を開業して成功している方は多く存在します。が、何年間かその国で生活し、習慣や文化などを踏まえた上でたこ焼き屋を開業されている方が多いかもしれません。
チェーン店で海外で成功されている方の中には、2004年に香港に初出店して以来タイ、シンガポール、カンボジアなどアジアを中心に店舗を拡大している株式会社ホットランドの社長がいます。
「和食を海外でファストフード化したい」という想いのもと、今後はアジアからアメリカ進出していくのが目標だそうです。
まとめ
海外でたこ焼き屋を開業するには事前準備から現地での経営に至るまで日本で開業するよりとても難易度が高くなると感じました。
そのためスムーズに開業するためにも海外での開業ノウハウが豊富な専門の学校に通うなどして、一度みっちり勉強することが必要だと感じました。
言葉の壁、文化の壁を乗り越えてたこ焼きでたくさんのお客様を幸せな気持ちにするためにも、ぜひじっくりと学びを深め、よりよいお店作りに取り組んでみてください。