たこ焼き屋は少ない資金で出店でき、集客もしやすいビジネスモデルとして知られています。
しかしたこ焼き屋は開業することがゴールではなくその先長く経営を続けていく覚悟がいります。
開業から10年以上経営できる飲食店は1割程度という厳しい現実を乗り越えていかなければなりません。
2022年の東京商工リサーチのアンケートによると新型コロナウイルスの影響で「飲食店」の廃業検討率は32.7%と全業種で唯3割超えとなりました。
2022.12 実施 第11回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査
東京商工リサーチのアンケート
また、本格的に飲食店に参入する前に、まずリスクの少ないたこ焼き屋を開業することで、飲食業のノウハウを身につけようという方もいらっしゃいます。
この記事ではたこ焼き屋を開業して成功を目指すためにはどのような準備が必要かをまとめてみました。
たこ焼き屋を開業するための4つの準備
たこ焼き屋を開業するにはまず出店スタイルを想定しておく必要があります。
従来のテイクアウト専門のスタイルから、最近はキッチンカーでの出店、店内飲食のスタイルなど、多様な出店スタイルの選択肢があります。
これを踏まえて開業までに必要な準備の内容を説明します。
❶たこ焼き屋に必要な開業資金は?
たこ焼き屋の開業資金は店舗型にするのか、移動販売にするのかによって大きく差が出てきます。
店舗型の場合は店舗の規模やフランチャイズかどうかに応じて200万円~1000万円、移動販売の場合は車両代として200万円~500万円程度が目安と言われているのです。
数か月分の運転資金も別で用意しておくとゆとりができるでしょう。
店舗型 | 平均開業資金 |
店舗型 | 200万円~1000万 |
キッチンカー | 100万円~300万円(中古車)・300万円~500万円 |
屋台 | 100万円~200万円 |
❷たこ焼き屋開業には2つの資格が必要
たこ焼き屋の開業に必要な資格は「食品衛生責任者」と「飲食店営業許可」です。
食品衛生責任者は1日で終わる養成講習を受講した後地方自治体に申請することで取得できます。
❸たこ焼き屋開業に必要な物件・車
店舗型の場合たこ焼き屋の立地条件は幅が広く決めにくいのが特徴的ですが、先ほど選定したターゲット顧客に合わせて行うとある程度は物件が絞れてくるでしょう。
ただ、たこ焼きをテイクアウトで買われるお客様は衝動買い的な要素が強いので、やはり人通りが多い、あるいは車の通行量の多い立地が有利です。
移動販売(キッチンカー)の場合移動車の価格は設備によっても差があり、新車で300~500万円、中古車で100~300万円程度が相場です。
営業許可は店舗型と同じく必要なのを忘れてはいけません。
❹たこ焼き屋を開業するときの必要な道具・設備
・たこ焼き器:たこ焼きを調理するための専用の鉄板です。一般的にはガスを使用するたこ焼き器が一般的です。
・ガスコンロ:たこ焼き器を設置するためのガスコンロが必要です。ガスコンロは調理台の上に設置されます。
・調理台:たこ焼きを調理するスペースを提供するための調理台が必要です。調理台にはたこ焼き器を設置し、材料や調味料を準備するスペースも必要です。
・作業用具:たこ焼きを作るために必要な作業用具として、たこ焼き串や竹串、たこ焼きを返すための串返しなどがあります。
・揚げ網:たこ焼きを焼く際に使用する揚げ網が必要です。揚げ網はたこ焼き器の上に敷かれ、たこ焼きが円形になるように形成されます。
・食材用の冷蔵庫:食材を保管するための冷蔵庫が必要です。新鮮な食材を適切な温度で保管することが重要です。
・調理器具:たこ焼きを作るために必要な調理器具として、ボウル、計量スプーン、泡立て器、ハサミなどがあります。
・陳列用の棚やディスプレイケース:販売するたこ焼きを陳列するための棚やディスプレイケースが必要です。見栄えの良いディスプレイはお客様の関心を引くことができます。
・レジスター:注文を受け付け、会計を処理するためのレジスターが必要。
また設備は焼台や冷蔵庫、調理台や照明機器などですが、厨房機器を扱うネットショップでは設備はたこ焼き屋の開業時に必要な冷蔵庫、調理台、厨房機器等をリストアップして、事前にチェックしましょう。
たこ焼き屋を開業するなら儲かるのは店舗型?移動販売?平均年収も紹介
たこ焼き屋を開業した後の月収と年収のイメージを、店舗型と移動販売の2つにわけてご紹介します。
❶店舗型の場合
店舗型で売上が80万円の場合、原材料費・包装費24万円、家賃・水道光熱費で8万円、その他の経費5万円とすると残りの43万円が月収の目安となります。
ある調査によるとたこ焼き屋の平均年収は516万円となっています。
人を雇う場合はこちらに人件費がかかります。
有名店になれば平均年収は300万円から600万円前後となっていますが、個人経営かフランチャイズ経営かによっても違ってきます。
フランチャイズの場合はここからロイヤリティや販売促進費が差し引かれますが、本部の宣伝効果により、売り上げは個人店より上がることが期待できます。
フランチャイズと個人経営での資金や費用
フランチャイズと個人経営が資金面で異なる点は、フランチャイズの場合加盟料や研修費などの初期費用、またランニングコストとして月々のロイヤリティや販売促進費が発生することです。
フランチャイズ化するメリットとデメリットを書き出してみて、月々の費用対効果を考えてみるのがよいでしょう。
下記に個人経営とフランチャイズ経営の違いを示してみましたので参考になさってみてください。
個人経営 | フランチャイズ経営 | |
開業資金 | 100万円~200万円位 屋台だと100万円前後 | 400万円~1000万円位 |
売り上げの傾向 | 軌道に乗るまで不安定 | ブランド力で早期に安定 |
経営方法 | 自分で自由に決められる | 本部の指示に従う |
メリット | 利益がそのまま収益になる | ノウハウを教えてくれる |
デメリット | ノウハウがないので自分で試行錯誤が必要 | ロイヤリティを払う |
❷移動販売(キッチンカー)の場合
移動販売の場合は移動車分の初期費用がかかりますが、家賃がかからないためランニングコストが抑えられます。
家賃がなくなり、代わりにガソリン代がかかります。
あくまでも目安ですが、キッチンカーの平均燃費は、約5km/L程度と言われています。
ただし、キッチンカーの種類や大きさ、エンジンの種類や運転方法、道路状況などによっても燃費は異なるため、実際の燃費を把握してから計算することが重要です。また、ガソリン代以外にも、車両の維持費や食材の仕入れ費、保険料、人件費なども考慮する必要があるため、事業計画を立てる際には総合的なコストを見積もることが大切です。
駐車している場所から店への距離によってかなり変動するので、移動範囲も頭に入れて収支計画をたてましょう。
移動販売(キッチンカー)での平均年収は200万円から600万円となっています。
しかし出店場所の確保、スペースの狭さによる商品数の限定、天候による売上の不安定さなどデメリットも発生するためメリットとデメリットを考え合わせて費用対効果を考えるのがよいでしょう。
キッチンカー需要に関するアンケートではたこ焼きは人気のメニューとなっており、調査に参加した方の90%が今までにキッチンカーを利用したことがあると答えているのでますます需要が高まっていると考えられます。
キッチンカーで販売するときの保健所がチェックする衛生基準
保健所のチェックする衛生基準(自治体によって差があるため要確認)に従った移動車にすることが必要です。
【例】キッチンカーでたこやきを販売する場合、保健所が定める以下のような衛生基準を守る必要があります。
・原材料の管理
食材の購入元や受け取り時の状態を確認し、異常があれば不使用とする。
食材の保管場所や温度管理を適切に行い、腐敗や汚染を防止する。
・調理の衛生管理
調理器具や作業場所、作業着などの清潔を保ち、常に手洗いや消毒を行う。
調理の過程での交差汚染を防止するため、食材や調理器具の取り扱いには十分注意する。
調理後の出来上がり品は、早急に適切な温度帯に冷却、保管する。
・販売の衛生管理
販売するたこ焼きは、適切な温度帯で保管し、顧客に提供する直前に加熱する。
顧客の手の届かない場所にたこ焼きを置くようにする。
使い捨ての手袋やトング、おしぼりなどの衛生的な取り扱いに注意する。
また、キッチンカーの設備にも以下の点に留意する必要があります。
水回りや排水設備の清掃、保守に十分注意する。
調理場所と販売場所を明確に分け、衛生管理を徹底する。
必要に応じて、保健所の立ち入り検査に協力する。
以上が、キッチンカーでたこ焼きを販売する場合の基本的な衛生基準になります。
儲かるたこ焼き屋にするコツについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
たこ焼き屋は儲かる?原価率・資金・費用
たこ焼き屋開業までの準備についてご理解いただいたところで、次は開業後の経営について見ていきましょう。
たこ焼き屋が儲かるとよく言われるのは
・原価率が低い ・人件費をかけなくても一人でも始められる ・初期投資が少ない ・食材ロスが少ない ・手軽で人気のある食品であるため、需要が高い ・比較的簡単な製法である ・多様なバリエーションがある |
など様々な理由があります。
たこ焼きの材料と原価率は?
たこ焼き屋の原材料費・包装費を売上の30%と設定します。(食材費が高騰しているため高めに設定)
たこ焼き屋の原価率は売値の30~37.5%です。
販売価格400~500円に設定した場合、原価150円で計算しています。
かなり絞れば25%も可能な数字かもしれません。75%が利益(儲け)になることになります。
原価率が低ければ低いほど、お店の売り上げは出やすくなります。
たこ焼きの一般的な材料としては
・薄力粉 17円 ・卵1個 10円 ・だし汁 4円 ・タコ1㎝大 42円 ・ソース 16円 ・マヨネーズ 12円 ・かつお節 24円 ・青のり 0.5円 |
こちらを計算すると、一人前の原価が125円として500円で売った場合は原価率が約25%となります。
これに容器代や油代を加えると原価率約30%となります。
80万円の売上があった場合約24万円と予想されます。
しかしあくまでも試算なので、絶対にこの数値になると思い込み過ぎないようにしましょう。
たこ焼き屋の一日の売り上げ平均、想定利益率
たこ焼き屋の開業資金は店舗型にするか移動販売にするかによって大きく異なり、店舗型の場合は200万円~1000万円、移動販売の場合は200万円~500万円程度が目安とされています。
たこ焼き屋の一般的な平均原価率は売値の30%とされており、一人前の原価は約125円と計算されています。
利益率は70%程度。
たこ焼き屋の平均年収は516万円という調査結果があります。
有名店になれば平均年収は300万円から600万円前後となっていますが、個人経営かフランチャイズ経営かによっても違ってきます。
たこ焼き屋の一日の売り上げは、500円のたこ焼きを一日200個売ると10万円、50~100個売ると2万5000~5万円となります。たこ焼き屋の一日の売り上げ平均は3万~6万円程度と推測。
まとめ(開業のノウハウは学校で学ぼう)
たこ焼き屋の開業は飲食店の中では比較的出店しやすいビジネスモデルであることがわかりました。
しかし長くお客様に愛されるお店にするためにも、不安な点を解消できる専門性の高い学校へ通うことをおすすめします。
10年続けられる1割の飲食店の仲間入りをするためにも、しっかりとした学びが必要です。
たこ焼き屋でしっかりと儲かるかがご不安な方は、失敗するの時のことをお考えではないでしょうか。
失敗の可能性を下げるには、
・しっかりとしたプロの味を提供すること
・先人たちが失敗した事例を先に学び、事前にしないようにすること
が大事です。
当学園の教室では、プロの味はもちろんのこと、カリキュラムの要所に先人たちの失敗事例を盛り込んでおり、失敗の可能性を限りなく下げる仕組みがあります。 まずは、下記リンクの教室の詳細をご確認してみてください。