たこ焼き屋を屋台で開業したいけれど、資金がいくらくらい必要なのか、道具や備品はどんなものが必要なのかわからないなど迷ってはいませんか?
この記事ではたこ焼き屋を屋台で開業する方法についてまとめてみました。
屋台でたこ焼き屋を開業するのに必要なものとは
たこ焼き屋を屋台で開業するには、どのような準備が必要なのでしょうか。
屋台・道具・材料の3つの観点から考えてみました。
屋台
まずは屋台を準備しますが、費用はおおむね30万円~50万円程度と言われています。
たこ焼き屋の個人開業・フランチャイズでの開業には200万円~1,000万円程度かかるとされていますが、屋台での移動販売の場合150万円~250万円程度が目安と言われているのは、この店舗にかかる費用を大幅に削ることができるからなのです。
手持ちの自己資金が少ない人でも、屋台ならば開業できる可能性が出てくるのではないでしょうか。
店舗型 | 平均開業資金 |
店舗型 | 200万円~1000万 |
キッチンカー | 100万円~300万円(中古車)・300万円~500万円 |
屋台 | 100万円~250万円 |
また自宅の1階スペースでたこ焼き屋を始めたいという方もいらっしゃると思います。
自宅で飲食店を開業したい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
道具
たこ焼き屋の屋台はスペースが狭いため、必要最小限の道具を準備する必要があります。
必要な道具とその概要を表にまとめてみました。
道具名 | 概要 |
たこ焼き機 | 鉄製と銅製がある、燃料は屋台の場合はプロパンガス式、穴の大きさは現在18穴が定番とされている |
ガスボンベ | レンタルで使用。7kgや10kgのボンベで10~15時間程度使用可能。回転が速いと一日一回の交換が必要 |
寸胴(ずんどう) | 粉を溶いたり、保管、移動の際に使用 |
泡だて器 | 粉を溶くときに用いる。材料はステンレス製 |
ひしゃく | 溶いた粉をすくって粉つぎに入れる時に使用 |
粉つぎ | たこ焼き機に溶いた粉を流し込むための道具 |
ボール | たこ、天かす、紅ショウガ入れ。タッパーウェアなどでも代用可 |
千枚通し、菜箸 | たこ焼きを焼く道具。千枚通しは鉄鍋用、菜箸は銅鍋用 |
油引き | 調理面に油を塗るための刷毛状の道具。 |
ソース入れ | はけで塗るのが多いが、最近はディスペンサーでかけるところも増えている |
クーラーボックス | たこや卵などの食材を衛生的に保管 |
タッパーや容器 | 食材や調味料を効率よく使えるように下ごしらえして入れておく |
提供用品と梱包資材 | たこ焼き用トレー・箸やピック・ソースやマヨネーズ容器・持ち帰り用袋 |
その他 | まな板、包丁、はかり・布巾・キッチンペーパー等の調理道具・ゴミ袋・手袋・消毒液などの衛生管理用品 |
のぼり、提灯 | ターゲット顧客にお店を認識してもらうために使用する。 |
新品ではなく中古の道具を取り入れれば、開業資金の節約ができるでしょう。
道具についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
材料
たこ焼きを作るのに必要な材料は、味付けやたこ焼きの種類によって異なりますが、基本の5つを表にしてみました。
材料名 | 概要 |
粉 | たこ焼き用のミックス粉。 |
水orだし | 粉を溶く時使用 |
たこ | 現在、仕込みやコストを考えて業務用の冷凍蛸を使用することが多い。 |
ソース | 最近はソース以外のトッピングも豊富 |
ふりかけ | 青のり、天かす、紅ショウガ、かつおぶしなど。 |
使用する材料が少なく、仕込の時間が短くスペースも必要ないので食材のコントロールがしやすいのがたこ焼き店のメリットといえます。
資格
たこ焼き屋を屋台で開業する際には、以下の資格や許可が必要です。
- ・食品衛生責任者の資格取得
飲食物を提供する場合、各店舗に食品衛生責任者を配置することが義務付けられています。 この資格は、各都道府県が実施する養成講習会(通常1日程度)を受講することで取得できます。 調理師や栄養士などの資格を持っている場合は、講習の一部が免除されることがあります。
- ・露店営業許可の取得
屋台での営業には、露店営業許可が必要です。 この許可は、各自治体の条例に基づき、保健所や警察署で申請を行います。 申請手続きや必要書類は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。
- ・移動販売車の許可(キッチンカーの場合)
キッチンカーで営業する場合、車両が食品を取り扱う施設として適切であることを証明するための許可が必要です。 これも保健所での申請となり、車両の設備や衛生管理が基準を満たしているかの確認が行われます。
詳細な手続きや必要書類については、営業予定地の管轄保健所や自治体の公式ウェブサイトで確認しましょう。
たこ焼き屋を屋台で開業するメリット
たこ焼き屋を屋台で開業するメリットを3つご紹介します。
①開業資金が少なくて済む
たこ焼き屋を屋台で開業しようとするとかかる費用は150万円~250万円程度です。
屋台は建物を建てる必要がないため、賃貸料や建築費用がかからないため、開業に必要な初期費用が抑えられます。また、設備や備品なども必要最低限のもので済むため、投資額を抑えることができます。
店舗を持つ他の業態の飲食店と比較すると圧倒的に安く済むと言えるでしょう。
②好立地を確保できれば成功しやすい
屋台でたこ焼き屋を成功させるには立地条件が重要ですが、逆に言うと集客のできる立地でさえあれば売れるということです。
また場所の移動が容易 屋台は移動可能なので、商圏や需要のある場所に移動して販売することができます。イベント会場や繁華街、商店街など、需要がある場所に臨時に出店することもできるため、需要に応じてビジネスチャンスを拡大することができます。
イベントやお祭りなどでそれほど味にこだわりのないたこ焼き屋が繁盛するのが良い例です。
③家賃がかからない
開業してすぐは運転資金が地味に経営を圧迫しがちですが、たこ焼き屋を屋台で開業すると家賃がかからないため運転資金に少し余裕を持つことができます。
④アピールポイントとなる
屋台は、風情やアウトドア感があるため、おしゃれな雰囲気を演出でき、飲食店としての魅力を高めることができます。また、屋台で提供するたこ焼きは、その場で焼きあがったものを提供できるため、手作り感があり、美味しさにこだわったメニューが人気を集めることが期待できます。
2013年に日本政策金融公庫が発表した「創業の手引+」の調査結果では、開業後経営を軌道に乗せるまでに半年以上かかった人が6割を占めたことを考えると、運転資金にゆとりを持った経営は重要だと言えるでしょう。
参考:日本政策金融公庫「創業の手引+」
たこ焼き屋を屋台で開業するのに必要な資格は
たこ焼き屋の屋台での開業するにあたっては露店営業許可が必要になります。これは地方自治体によって基準が違うため、出店予定地域の管轄の保健所に確認する必要があります。
また、申請の時「食品衛生責任者」の資格も必要です。
食品衛生責任者は1日で終わる養成講習を受講した後地方自治体に申請することで取得できます。
また、屋台で複数の地域で営業する場合は、飲食店営業許可はそれぞれの地方自治体に申請する必要があります。
「食品衛生責任者」についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
まとめ
たこ焼き屋を屋台で始める場合、開業資金を大幅に節約できることと、仕込などの調理が比較的に簡単で取り組みやすい業態であるというメリットのあることがわかりました。
もし開業時の準備や開業後の運営に不安があり、たこ焼き屋の開業に迷っているのであれば、小資本で比較的参入し易い屋台での開業を考えてみてはいかがでしょうか。