飲食店を安く開業したいけれど、具体的にどのような経費を抑えれば良いのかやその方法がよくわからないとお困りの人はいませんか?
この記事では飲食店開業にかかる資金から節約のコツまで詳しく解説します。
飲食店の平均的な開業資金とは?
日本政策金融公庫総合研究所が2020年11月に発表した「2020年度新規開業実態調査」の結果によると、開業費用の平均値は989万円と調査を開始した1991年以来最も少なくなっています。
また500万円未満で開業した人の割合も43.7%と1991年以来最も高くなっているのです。
飲食店の開業資金の内訳で多くを占めるのが物件にかかる内外装費ですが、飲食店用の物件にはスケルトン物件と居抜き物件の2種類があり、居抜き物件とは内部設備をある程度残した状態の物件、スケルトン物件とは建物の躯体だけの状態に原状回復した物件のことです。
そのためまずはスケルトン物件と居抜き物件にかかる費用についてそれぞれ知り、飲食店を安く開業するための資金節約方法について考えてみましょう。
参考:日本政策金融公庫総合研究所「2020年度新規開業実態調査」
スケルトン物件
スケルトン物件の場合全ての設備を1から揃える必要があるためかかる資金は500万円~1,000万円ほどが相場と言えるでしょう。
居抜き物件
居抜き物件では内装設備をそのまま流用できるため300万円~800万円ほどが相場となります。
このため飲食店を安く開業するためには、まずは開業したいエリアで居抜き物件を探すのが重要だということです。
飲食店を安く開業するポイント
飲食店を安く開業するための資金節約ポイントを8つご紹介します。
居抜き物件を探す
飲食店を安く開業するためにはまず居抜き物件を探しますが、開業する際に最も高くつくのが物件取得費と言われます。
次の5項目の費用の合計が物件取得費です。
①保証金
②礼金
③仲介手数料
④譲渡代金(居抜き物件の場合)
⑤前家賃
家賃が売上の10%以内に納まる物件を取得するのが望ましいとされるため、さまざまな賃貸サイトを比較・検討し慎重に物件を探すようにしましょう。
内装工事をDIYするなどして節約する
ある程度DIYの心得があるなら、内装工事を一部自分でしてみるのも良い方法です。
手間はかかりますが「オーナーがDIYで手作りした愛着のある店」ということ自体が競合店との差別化となり、宣伝すると集客につながるのでぜひ積極的に取り組んでみてください。
開業準備を直前にしてから家賃を減らす
物件を契約してから開業まで時間がかかるほど家賃などの経費は多くかかってしまいます。
物件契約から開業までの時間を節約するためにも、事前にスケジュールはしっかりと組んでおくことが重要です。
備品や厨房機器は中古を入れる
備品や厨房機器は必ず中古を検討するようにしましょう。
業務用厨房機器の中古のみを取り扱う専門サイトも存在するため、同じ機器なら比較検討して購入することが重要です。
集客を自分でする
飲食店の集客はコンサルティングなどを入れずにWeb広告、MEO対策、SEO対策、SNSマーケティングなどを自分で勉強して行うことでかなりの費用を節約することが可能です。
本などを購入してWebマーケティングの勉強をするというのももちろん大切なことではありますが、初心者レベルの集客であればインターネットで無料入手できる情報だけでもそこそこの対策は行うことができるのを覚えておきましょう。
補助金や助成金を活用する
補助金とは新規事業や新規サービス、新しい取り組みの導入をサポートする目的で支給されるお金で、助成金は労働者雇用の維持・推進や人材育成を行う企業をサポートするのを目的として支給されるお金です。
補助金を主に所管しているのは経済産業省や中小企業庁、助成金を主に所管しているのは厚生労働省のため、まずはホームページで申請できる補助金や助成金がないかを確認するのが望ましいでしょう。
また地方自治体によっては独自の補助金や助成金を設けている場合も多いため、国の補助金や助成金と併用できるかどうかを確認の上申請することをおすすめします。
参考:経済産業省 中小企業庁ミラサポplus「よく見られている補助金・給付金」
参考:厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」
人件費を抑える
飲食店を開業する際、青色申告を行って家族を従業員として雇用する予定なら、税務署に青色事業専従者給与に関する届出書を提出しておきましょう。
この書類を提出しなければ家族を従業員として雇用することや、給与を経費として計上することはできないので注意が必要です。
自己資金をためる
飲食店を安く開業するのは大切ですが、自己資金を多めにためておくのもその後ゆとりある経営を行うためには重要だと言えるでしょう。
日本政策金融公庫が2013年に行った「生活衛生関係営業の景気動向等調査」によると約6割の飲食店が事業を軌道に乗せるまでに半年以上かかったとの結果が出ています。
また開業時に自己資金が不足していたと感じている人は26.8%でした。
これらのことから自己資金は6ヶ月分の運転資金を含む多めの金額で準備することをおすすめします。
参考:日本政策金融公庫「創業の手引き+」
まとめ
飲食店を安く開業するためには、まず開業したいエリアでスケルトン物件を探し、内装工事費や備品などにかかる費用を少しずつでも削る努力を怠らないことが重要だとわかりました。
せっかく開業したお店を軌道に乗せるためにも、資金はなるべく節約して大切に使うようにしてください。