大阪府高槻市玉川2-22
開店:2011年
2011年3月に卒業後、8月にオープンされた高槻のお好み焼き「亜月(あづき)」さん。オーナーは以前は福祉関係のお仕事をされていて、飲食店は初めての経験でした。今回学園入学から卒業、開店後の想いを綴っていただきました。
以下はオーナー鈴木恵美子さんのお話です 開店から5年、オープン前後に誰もが通る心の揺れを語っていただきました。
2011年2月の早朝のこと、出勤の支度中に何気なく見ていたTVで若竹学園を知りました。その頃空き店舖だったこの場所が気になっていたので「ここで学べばできるかもしれない」と思いワクワクした気持ちで体験入学に参加しました。その後しばらく迷いましたが「夢をあきらめて後悔するよりダメでも進んでみよう」と入学を決心しました。
その道のプロの方々の授業はどれも楽しくてわかりやすく「やってみたい」と思わせてくれるものでした。勉強から施工までお世話になり、細かな事までサポートしてくださった若竹学園と出会えて本当に良かったです。
【しんどかった事】
「孤独」と「不安」
オープン前は契約や決めごとが多くて悩み迷いました。相談はできても決断しなくてはいけない。企業のトップも沢山人に囲まれていても助けてもらえない孤独があるんだろうなぁ・・・・なんて思ったりしました。
また、仕入、仕込みから始まり、ほとんどが人と話すこともなく黙々とやる作業や、閉店後にどこから手をつけたらいいかわからない洗い物に呆然としつつも「こんなに沢山のお客様を迎えて一人で作ったんだ」「もっとしんどい思いをしている人が沢山いるはず」などと自分に言い聞かせて頑張るとプチ達成感が生まれます。乗り越えられない山は絶対にない。コツコツ努力が大事だと思っています。
忙しい日の後に暇が続くと「今日は誰か来てくれるかな・・・」と不安になりますが暇は暇で仕込みや雑用の時と割り切り、そのうち顔を出してくれたお客様とゆっくり会話をたのしむようにしています。
【うれしかった事】
「つながり」
子供さんがソフトクリームを注文されると一緒に作ります。親御さんが「よかったね~」と喜んでくれて食べる姿も写真に撮ります。フォトパネルでいつでも見られるのでそれもお客様の楽しみになっています。
また、この店で知り合った方々が楽しそうに笑っているのを見ると嬉しくなります。「亜月があるから出会えてよかった」と通ってくれる常連さんに感謝し、また新しい輪が広がっていく場を作ってこれた事に喜びを感じながら「また来るね」の言葉に明日への元気をいただいています。
【これから】
「展開の仕方」
昨年頃より常連さまが入れ替わり始めて、以前より客層が若くなりました。ターゲットがどこなのか、また飽きのこないイベントなどを思案しています。今でもまだまだ未熟な自分に落ち込む事も多いですが、続けることが恩返しとの思いで頑張っています。今はバイトを育てて自分自身が余裕を持って店をまわせるようになる事かと思います。つぼみをつければどんな花でもきっと咲くはず。チャンスは逃がさないようにと今も思います。
以上ですが、開店後誰もが通る試練に前向きに向かっていかれる姿がお客様の共感を得ているのでしょう。店内はお客様とともにお店を作っていこうという雰囲気に溢れて、丁度お店の裏が桜の名所なので、桜のシーズンには店の外に臨時の席を作って宴会メニュー客をとるなど、創意工夫されています。
マニュアルなどない体当たりの経営です。
どうぞお身体に気をつけて、ますますのご活躍を願っています。
(2016年9月現在)
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