飲食店を開業したいけれど、調理師免許を持っていないので無理なのではと心配されている方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。調理師免許がなくても飲食店は開業できます
この記事では飲食店を開業するのに必要な資格について解説します。
飲食店を開業するのに必要な資格
飲食店を開業するのに必須の資格は「食品衛生責任者」でお店の収容人数(従業員+席数)が30人以上であれば「防火管理者」の資格が必要です。
調理師免許を持っていれば自動的に「食品衛生責任者」になれるのですが、問題になるのは持っていない場合ですね。
その場合でも「食品衛生責任者の資格」は各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます
講習科目と時間は次の通りです。
・衛生法規・・・・2時間
・公衆衛生学・・・1時間
・食品衛生学・・・3時間
資格取得にかかる費用は地方自治体によって異なりますがおおむね1万円程度で、申込方法や開催スケジュールは各地方自治体の食品衛生協会のホームページより最新情報を確認するようにしましょう。
また防火管理者の資格は一般財団法人日本防火・防災協会が開催する講習会に参加することで取得できます。
店舗の延床面積が300m2以上の場合は甲種講習を受講する必要があり、2日で約10時間の防火管理訓練や教育が行われるのです。
また店舗の延床面積が300m2以下の場合は乙種講習にて1日5時間の基礎的な防火管理教育が行われます。
受講料は甲種講習¥8,000、乙種講習¥7,000です。
申込方法や講習会の開催スケジュールは一般財団法人日本防火・防災協会のホームページより最新情報を確認しましょう。
参考:公益社団法人 日本食品衛生協会「全国の食品衛生協会」
参考:一般財団法人日本防火・防災協会「防火・防災管理講習」
飲食店を開業するのに調理師免許をもっているメリット
見てきたように飲食店を開業するのに調理師免許は必須の資格ではありませんが、取得するメリットは2つあります。
1つめは調理師免許を取得するには、専門学校に通う、現場経験が2年以上必要等、免許を取得するまでの経験と試験勉強が何よりも自身の実力に繋がることです。
2つめはお店の信頼性を上げられることです。
調理に関するさまざまな知識を持っているため、安心・安全な食事を提供してもらえるという安心感をお客様に持っていただけることです。
また調理師免許を取得すると食品衛生学や栄養学、調理理論などの知識を得ることができ、顧客や同業者への信頼が高まることがメリットと言えるでしょう。
調理師免許がないとできないことは?
調理師免許がなくても「食品衛生責任者」の資格があれば飲食店の開業ができることがわかりましたが、では調理師免許がないとできないことはあるのでしょうか?
一つ目は調理師免許が必要な職場での勤務ができないことです。例えばホテル・レストランや料亭の応募要項で必要な場合や将来料理長などを考えている場合は必要となります。
二つ目は専門調理師・調理技能士資格への挑戦ができないことです。専門調理師・調理技能士とは
●日本料理専門調理師・調理技能士
●麺料理専門調理師・調理技能士
●西洋料理専門調理師・調理技能士
●中国料理専門調理師・調理技能士
●すし料理専門調理師・調理技能士
●給食用特殊料理専門調理師・調理技能士
の6つの区分があります。開業される飲食店で上記の専門調理師・調理技能士を将来取りたいと考えている方は調理師免許が必要となります。
また、「調理師」と名乗ることが出来ないことやふぐなどの特定の食品を取り扱うことができないこともあります。
まとめ
飲食店を開業するのに調理師免許の取得は必須ではありませんが、食品衛生責任者の講習会免除やお客様からの信頼性向上などメリットが多いことがわかりました。
調理師免許がなくても衛生管理や資金計画・メニュー開発などの知識を十分に持っていれば飲食店を成功させる可能性が高まるでしょう。
もしきちんと修行をしてから飲食店を開業したい場合は、調理師免許の取得も検討してみてはいかがでしょうか。