いつか自分で飲食店を開業したいと思っているけれど、手続きがたくさんあって難しそうだと思っている方はいらっしゃらないでしょうか?この記事では飲食店の開業許可について、ポイントを押さえて解説します。
飲食店の営業許可とは
飲食店を開業するための「営業許可」を得るためには必要な要件が2つあります。
1,食品衛生責任者
1つめの要件は食品衛生責任者の資格取得者を1名以上専任で設置することです。
食品衛生責任者の資格は各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。費用は地方自治体によって異なりますがおおむね1万円程度、かかる期間は1日で申込方法や開催スケジュールは各地方自治体の食品衛生協会のホームページより最新情報を確認するようにしましょう。
この資格は一度とれば、更新の必要はなく全国どこでも通用しますので、飲食店の開業を決意したのであれば、早めにとっておいた方が良いでしょう。
尚、調理師免許をお持ちの方は、免許証番号をもって食品衛生責任者の資格ありとされます。
参考:公益社団法人 日本食品衛生協会「全国の食品衛生協会」
http://www.n-shokuei.jp/outline/sisho.html
2,営業許可証
2つめの要件は保健所の検査をクリアし、営業許可証を取得していることです。
営業許可証を取得するには竣工もしくはオープンの10日〜2週間前までに申請書類を提出し、保健所の検査を受ける必要があります。また、この検査から営業許可書の発行まで1週間程度かかるため、時間に余裕を持って申請するのを忘れないようにしましょう。
営業許可の流れ
飲食店を開業するための「営業許可」を得るための要件についてご理解いただいたところで、次は実際に申請してから許可が下りるまでの流れをご紹介します。
保健所に相談
飲食店を開業する地域の保健所に事前相談を行います。
これは営業許可を得るためには施設基準という要件を満たす必要があるため、飲食店での工事着工前に図面などを持参し事前にチェックしてもらうのです。
所轄の保健所により基準が異なるため、必ず飲食店を開業する地域の保健所に事前相談をするようにしましょう。
参考:厚生労働省 保健所管轄区域案内
ttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/
営業許可申請に必要な書類
営業許可申請に必要な書類について詳しく説明します。
施設完成予定日の10日~2週間ほど前に必要書類を保健所に提出し、申請を行います。
・営業許可申請書
飲食店の所在地や連絡先などを記載する書類です。所定の書式、記載方法に則って作成しましょう。
・営業設備の大要・配置図
飲食店内に設置する衛生設備の概要を記載した書類です。
・許可申請手数料
営業許可取得にかかる費用です。
・(法人の場合)登記事項証明書
飲食店を運営するのが法人の場合に提出します。
・水質検査成績書飲食店営業で貯水槽使用水、井戸水を使用する場合に提出します。
・食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)
食品衛生責任者の資格を取得したという証明となる書類です。
施設検査
営業許可に必要な書類を保健所に提出した後、保健所から施設検査の日程の連絡があります。
施設検査の日程については、保健所の担当者と事前に打ち合わせの上決めるようにしましょう。
検査の時点で店舗が完成していなければなりませんので、施工業者にも確認をとっておきましょう
飲食店が施設基準に合致しているかを担当者が現場調査を行って確認するため、立ち合いが必要です。
ここで施設が基準に合致していないと判断されると改善命令があります(口頭指導の時もあります)
改善が確認できるまで営業許可がおりない場合がありますので、余裕をもった申請をお勧めします。
営業許可書交付
施設検査合格後営業許可書が交付されるので、交付予定日になったら郵送されてきた「営業許可書交付予定日のお知らせ」と認印を保健所に持参すると営業許可書が交付されます。
営業開始
営業開始後は食品衛生責任者の名札を掲示し、飲食店の施設を変更したり、廃業したりする際は保健所に再度届出が必要となります。
営業許可取得にかかる費用
営業許可取得にかかる費用を許可申請手数料と言いますが、各地方自治体や業種によっても異なるため施設の所在地を所管する保健所に直接問い合わせて確認するのがよいでしょう。
参考:厚生労働省 保健所管轄区域案内
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/
まとめ
保健所に申請して飲食店の開業許可をスムーズに得るためには、事前に必要な書類を揃え余裕を持ったスケジュールで行うのがポイントだとわかりました。
実際に施設基準を満たしたり、書類を作成したりするとなると建築の専門家でもないのに果たして内容が理解できるのか不安だという方もいらっしゃるでしょう。そのような時に耳を傾けてほしいのが開業についての知識が豊富な専門家の意見です。
少しの書類の不備や、工事の不備で肝心の開業日のスケジュールが遅れたといった事態を招かないようにするためにも、一度は飲食店の開業許可についてセミナーや学校でしっかりと学び準備万端で開業するようにしてください。