iいつか飲食店を開業するのが夢だけれど、1人で切り盛りできて、地域で愛されて、アットホームなお店にしたいと思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では1人で飲食店を開業する際のメリットやデメリット、成功するコツまで詳しく解説します。
飲食店を1人で開業するメリット
最初に、飲食店を開業する際1人で行うメリットを4つご紹介します。
人件費がかからない
1人で飲食店を開業するにあたって、ネックとなるのが人件費だと言えるでしょう。
国税庁が2021年8月現在統計情報としてホームページに掲載している「平均給与」のデータでは、飲食店が含まれるサービス業の平均給与は347万円、平均賞与は84万円となっています。
社員として1人の従業員を雇用するには、431万円の人件費が目安としてかかるというわけです。
個人店の場合はもっと少ない金額になりますが、それでも年間数百万円の人件費は必要です
飲食店を開業する際、1人で始めるとするとこの人件費がかからずに済み、経営的には楽になります。
参考:国税庁 統計情報「平均給与」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1997/menu/05.htm
自分の好みに出来る
飲食店を1人で開業すると、全ての決定権を自分で持つことができます。
個人経営のお店の店主を「一国一城の主」と例えるのはこのことから来ています。
経営方針から働き方まで全て自分で決めることができるのが、飲食店を1人で行うメリットだと言えます。
お客様に近い
飲食店を利用するお客様は単価の安いチェーン店を好む人もいますが、アットホームな雰囲気や店主の持つこだわりの料理や空間を求めて個人経営の飲食店を好む人という人も存在します。
心理学で分析をしてみても、流行の商品やサービスに価値を感じる「バンドワゴン効果」、希少価値が下がると価値を感じなくなる「スノッブ効果」、高額な商品やサービスほど価値を感じる「ウェブレン効果」といった具合に人間が価値を感じるポイントには多様性があると言えます。
このことから個人経営のお店は、お客様との距離感が近いことで個性を出しやすく、他店との自然な差別化につながるのが大きなメリットと言えるでしょう。
臨機応変に問題に対応できる
大企業の場合、課題解決にはさまざまな部署が横断的に連携する必要があるため時間がかかる場合が多いですが、飲食店を1人で開業した場合臨機応変にその場で対応することが可能です。
例えば新規メニューの導入1つにしても、大企業では下準備として競合調査などのマーケティングを行う必要がありますが、個人経営の飲食店ではまず常連客に出してみて反応を見ながら軌道修正するといった実験的な導入も行いやすいでしょう。
飲食店を1人で開業するデメリット
飲食店を1人で開業するのにはデメリットもありますので、3つご紹介します。
体調管理
飲食店を1人で開業した場合に大変なのが体調管理です。
仕入れや仕込みはもちろん、店の掃除から接客、金銭管理まで全てを1人で完結させなければなりません。
また体調を崩した際にお店を開きたくても、代わってくれる人がいなければ営業することはできないのです。
飲食店を開業する時、自分の体力と相談して無理のない営業がきるかどうかを検討しておくのが望ましいでしょう。
提供時間がかかる
飲食店を1人で切り盛りする場合、料理を提供するまでに時間がかかってしまうため、どうしても顧客満足度が低くなりがちです。
日本ではファーストフードの提供時間を基準に料理の提供時間を考えている人もいるため、待つのが苦手な人も多いです。
時間のかかる料理はあらかじめ出来上がりの時間の目安を伝えたり、逆にメニューにすぐ提供できるものをまとめて表示してそちらに注文を誘導したりと工夫は可能なので、自分の店に合った方法を試してみましょう。
利益に限界がある
飲食店を1人で開業すると、どうしても稼げる利益には限界が出てきます。
その限界利益で営業が続けられればよいのですが、席数や単価、回転率によっても異なるため一概には言えませんが、お客様が順調に増加してそれなりの売上が確保できるようになった場合、さらなる売り上げを目指す場合は従業員を雇用するかどうかの大きな分かれ道になるため、慎重な判断が求められるでしょう。
飲食店を1人で開業して成功するには
飲食店を1人で開業して成功するためのコツを3つご紹介します。
事業計画を綿密にたてる
飲食店を開業する際には、事業計画を綿密に立てる必要があります。
計画の中には目標売上や目標利益、さらに低迷期、通常期、繫盛期などのシュミレーションを細かくして、特に低迷期でもやっていけるだけの計画が必要です
開業するにあたって融資を受けたいと考えている場合も、金融機関が事業計画書を審査した上で行うため、商品やサービス、取引先や事業の見通しについて細かく考慮しておかなければなりません。
1人で開業するにあたってもここは時間をかけて丁寧に行わなければ成功するのは難しいため、専門家に相談するなど、慎重にプランをねるようにしましょう。
資金をきちんと用意する
飲食店を開業するためには目安として規模にもよりますが800万円~1,000万円必要と言われます。開業するにあたって、料理の研究や、店舗デザインや、集客のための人脈作りなどに没頭して、資金計画を疎かにしないように注意しましょう。
特に開業後に運転資金が足りないといったことにならないためにも、事業計画と連動した綿密な資金計画が必要です。
経営のノウハウを勉強する
飲食店を1人で開業するということは、経営判断も全て自分で行う必要があるということです。
美味しい料理を提供するのは当たり前で、そこからさらに他店との違いを演出して売り上げに繋げていくのには経営ノウハウが必要です
準備期間中に経営セミナーに参加する、専門の学校に行く、webでマーケッティングを勉強するのも役立ちます
飲食店を1人で開業するにはお好み焼き・たこ焼きもおすすめ
飲食店を1人で開業する際の業態として、原価が低く利益が作りやすく、仕込や調理などのオペレーションがシンプルなお好み焼きやたこ焼きが適しています。。
イートインやテイクアウト、またキッチンカーの利用などさまざまなお店の形が選択できるため、さまざまなアイデアを活用しやすいのも経営する上での魅力と言えるでしょう。
まとめ
飲食店を1人で開業するのは人件費がかからずお客様との暖かなふれあいが可能であることなどメリットが大きいですが、基本的な事業計画や資金繰りをきちんと行うことも成功する秘訣であると言えます。
この記事も参考にして、ぜひ地域で愛される個人経営のお店を作り上げてみてください。